※余りにも同様の相談が多い(徹底反復高速計算練習で全く考えられなくなった高学年の「どんぐり」開始の相談)ので記録しておきます。糸山先生:え〜っと、今(2012年11月)何年生ですかね。
相談者>:え〜っと、5年なんですけど。
糸山先生:あ、5年ですか、はい。
相談者>:あのぉ、計算問題ばっかりしてですね。
糸山先生:あ〜〜、はいはいはい。
相談者>:全然、解けないんですよ。
糸山先生:え〜っと、5年生ですね。あ、ちょっと待って下さいね。
相談者>:今日から、やり直したいなぁと、思ってるんですけど。
糸山先生:え〜っと、5年生でしょ。ん〜。
糸山先生:今、宿題、習い事、家庭学習はどうなっていますか?
相談者>:宿題は、学校の宿題はしてます。K式をず〜っとしてたんですが、あの、ちょっとやめたんですよ。今回。
糸山先生:どんぐりの問題は1問でもやってみましたか?何年生のものを何問やりましたか?...そうですか。どうしようかな...5年生で、今もう11月ですよね。今度6年生ですよね。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:え〜っと、ん〜、中学校はどうなるんですか。普通の公立中ですか。
相談者>:公立中です。もう難しいかな、と思いまして。
糸山先生:え?何が難しい?
相談者>:受験が。
糸山先生:ああ、トンデモナイですよ。どっちもWでは無理なんですよ。
※思考回路養成と破壊(パターン学習)を同時にするという意味のW
相談者>:そうですね。中学受験は、もう、ちょっと、考えておりません。
糸山先生:うん。え〜っとね、ただ、5年生でしょう。中1ぐらいまでする覚悟がないと難しいですよ。
相談者>:そうですね。あの、今度、あの、個人の塾に行かせようかと、思ってるんですけど。
糸山先生:そこで、どんぐりの問題を使ってもらえるならば、行ってもいいですけども。
相談者>:あ、はい、あの、それを、ちょっと今度の土曜日にお話に行くんですよ。「どんぐりのプリントを是非お願いします」と。
糸山先生:是非というか、それ以外はさせないようにしないと。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:少しでも、そのぉ、所謂、単純計算のものが入ると、そっちの方が、あの、強力なんですよ。要するに、単純だから強力なんですよ。流されるんですね。だから、それを、宿題にしてもとめなきゃダメですよ。宿題をやっているだけでも、おそらく、ダメです。
相談者>:宿題って言ったら、学校の宿題...。
糸山先生:学校の宿題です。学校の宿題をやっているだけでもダメです。要するに、計算問題がいっぱいでるでしょ。
相談者>:出ますねぇ。
糸山先生:ね、それ以外はほとんどでないし、あとは漢字でしょ。
相談者>:はい。
糸山先生:どっちもただの反射なんですよ。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:ですから、それを常に強化していることになるんで、(この段階まで来ていると)それをやめない限りは、どんぐりをいれてもダメです。
相談者>:そうなんですかぁ...。
糸山先生:要するに、マイナス学習をしながらプラス学習をいれてもマイナスの方が大きいので、プラスマイナスでマイナスになるんですよ。
相談者>:そしたら...。
糸山先生:やめるしかないんですよ。あの、他のものをね。全部。
相談者>:はい。
糸山先生:で、あの、習い事とか、何かしていますか?
相談者>:空手をちょっとしています。
糸山先生:空手はいいです。段はとってないですよね。小学生ですからね。
相談者>:級はありますけど。
糸山先生:うん。え〜っとね、難しいところですね。5年生でしょ。5年生の後半で、ずっと高速学習ですもんね。K式は、何年生からやってましたか。
相談者>:幼稚園の時からやってるんですよぉ〜。
糸山先生:幼稚園からやってるんですか。
相談者>:そぉ〜なんですよぉ〜。
糸山先生:ああ、じゃあ、もうアレですね。あのぉ、例えば、どんぐりの3年生くらいの問題をみても、数合わせだけをして、ぱっと答えを言って、まったく違う答えを言うというタイプですね。
相談者>:そうなんです。
糸山先生:そうでしょうね、年長問題解けない子はいっぱいいます。小5の子で、それまで、ドリルをいっぱいやってきたにもかかわらず(やってきたから)、小2の問題に全く手がでないという子供達いっぱいいます。
相談者>:そうでしょうねぇ。ちょっと、読売新聞で拝見して、全然、私にも分からなかったんですよ。3年生の問題が。
糸山先生:そうですね。あの、絵を描かないからなんですよ。ただ単に。
相談者>:絵の描き方も分からないのですが、。
糸山先生:いえいえ、分かります。それは分かる。あの、それは絵を描いた事がないからそう思うだけで、描けるんですよ。で、絵を描いて、絵を描いただけで分かるというのが、ただ単に、理解するという事だけで、絵を描いただけでは答えがでないものが2年生の後半から入るんですね。で、それは、絵を比較しながら動かして、また描き直しをしなければならないんですよ。ここに、すごく大きな壁があるんですよ。普通それを乗り越えるのに3年くらいかかるんです。で、今5年でしょ、ということを、今考えていて、どうしようかなと考えているんですよ。5年生だと、あと15ヶ月として、それでもやはり多くても一日一問にしなくてはいけないんですよ。
相談者>:そうなんですかぁ。
糸山先生:本当は、週に2問しかやってはいけないんですよ。
相談者>:そうなんですか。
糸山先生:週に2問しかやってはいけなくて、あのぉ、そうしないと<処理>になってしまって、自分で考え出すということをしない人間になるんですよ。もともと今の時点でそうなってるんで、それを、あのぉ、リセットするには、すごく几帳面にやらないといけないんですね。で、そうすると、宿題もいっさいさせない、計算問題もいっさいさせない。そうすると学校の評価が全くダメになるんですが、それでもやりますか?という話になるんです。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:あの、そこはもう、最初に決めておかないと、ただどっちもやって、「どんぐり」をただ加えるということになると、お子さんの負担が増えるだけなので、マイナスになるんですよ。
相談者>:はぁ。
糸山先生:そこを、一応話だけ、僕、しておきますね。あとどうするかは、もう、お母さんの自由なんで。
相談者>:はい。
糸山先生:で、そうなります。え〜、まず、僕が見てきた、あのぉ、その単純計算をいっぱいやってきた子どもというのは、僕が1年みてきた子でも、なおりませんでした。最終的に。あのぉ、なぜかっていうと、それは、家庭で宿題をさせていたからです。僕は、させないでくださいと言ったんですけど、5分10分ならいいだろう、と思ってさせてたんですよ。それでダメでした。で、それはきっちりやれば少しはなおります。完璧にはなおりません、もう言っておきますね。小学校2年、3年ぐらいでないと根本的な修正はできないです。
相談者>:そうですかぁ。
糸山先生:というのは、感情育成とか基本的な原型回路を作る年齢って6歳〜9歳位までなんですよ。そこで、もう単純計算がいっぱい入って来てるんで、それはもう、あきらめてください。ただし、視点を変えることはできるんですよ。
相談者>:はい。
糸山先生:今までただ単に数字合わせをしてきたものをちゃんと文章を絵図にして絵図の中で解いて行くという、それは手順になるんですけども、それがないと高校入試さえもままならないんですね。
相談者>:そおなんですよぉ。
糸山先生:そうなんですよ。なので、それに切り替えるのに、2年と思っていただいて、5年生、6年生、中1の夏まで。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:うん。それをきっちりされればどうにかなると思います。
相談者>:そうですか。高校受験なんです、私も。
糸山先生:それはしょうがないですよ。根本的な回路ができていないんで。ただそれをそのまま放置しておくのはかわいそうなんで。
相談者>:そうなんですよ、計算ばっかりして...。
糸山先生:でしょ。
相談者>:可哀想で、もう。
糸山先生:もう、計算しかできないんですよ。
相談者>:そうなんですよ。
糸山先生:計算ばっかりするというわけではなくて、計算だけしかしないように育ててしまったので、しょうがないんですけどねぇ。
相談者>:ねぇ。
糸山先生:だから、そこは、あの、もう5年生なんで、きちんと腹割って話さないとダメですよ、そのかわり。
相談者>:そうですね。
糸山先生:で、「勉強のさせ方を間違ってました、ごめん」って言わなきゃダメですよ。あのね、それちゃんと言わないで、ただ単に勉強方法を変えるというお母さん、いるんですけども、それは絶対ダメです。
相談者>:はい。
糸山先生:責任をちゃんととらなきゃダメです。そこをやっていただければ、2年かかると思えば大丈夫です。
相談者>:大丈夫ですかねぇ、学校の宿題とかさせなくて。いいんですかね。
糸山先生:いいどころか、させてはダメ。
相談者>:させてはダメ...。
糸山先生:いい悪いの話じゃなくて。
相談者>:しないんですか、あの、学校の宿題は。
糸山先生:する人もいますし、しない人もいます。それは、子どもをどうするかの話ですから。宿題というのは公立の小学校でも、全く出ない小学校もあるんですよ。
相談者>:そうですよねぇ。6年生になったら出ないって聞いたんですけど。
糸山先生:じゃなくて、全学年ですよ。全部でないところもあるんですよ。ということは、学校で出している宿題は単に先生の<趣味>だっていうことですよ。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:その<趣味>に子育てをつきあわせるのか、ということですよ。それ責任とってくれないでしょう。
相談者>:そうですねぇ。
糸山先生:全部親が最終的に責任をとるんですから、宿題だからさせなくちゃいけないんですかって聞いてくる人はいるけども、それは親が判断すべきことです。
相談者>:分かりました。あの、それでですね、下に4歳の子がいるんですけど、この子はK式にはやらないで...。
糸山先生:もちろんですね。4歳、5歳までっていうのは、何にもさしちゃダメですよ。
相談者>:そうなんですかぁ...。
糸山先生:あの、知的系統的教育はいっさいダメです。じゃあ、何をすればいいかというと、生活を味わう事。
相談者>:そうですかぁ。
糸山先生:とにかく外に連れて行く事。
相談者>:はぁ...。
糸山先生:それをしないとまるでダメですよ。それと、もう一つ。本はいっぱい読ましちゃダメですよ。読んであげるのはいいです。読んであげるのはいいけども、自分で読ませてはダメです。
相談者>:そうですかぁ...。
糸山先生:つまり、外遊びと読書とあったら必ず外遊びを選ぶ、だけども、本は別に嫌いじゃない、という程度に育てるのがベストです。
相談者>:あぁ...そうですかぁ...。
糸山先生:それを本だと安心しちゃって、あの、いくらでも与えたりする人がいますけどもすごく弱くなります。子どもが弱くなる。
相談者>:そうですかぁ。あぁ...。私、育て方をちょっと。
糸山先生:しょうがないですよ、どんぐりの理論は私が作ったんですから、20年位前までなかったんです。ですから、しょうがないです。世界的になかったんですからね。
相談者>:そしたら、あの...年長さんから、あるんですよね。
糸山先生:それは年長さんになってからやってくださいね。「年少とか年中からやってはいけませんか」と聞かれますが、絶対ダメですよ。
相談者>:ダメなんですねぇ。
糸山先生:だってそんなことやっている暇ないですもん。生活を味わうのに時間がいるんですよ。
相談者>:そしたら、年長さんからすればいいんですね。
糸山先生:うん、「から、すれば」じゃなくて、年長さん「から、しか」しちゃいけない。しかも、式とか答えとか求めてはダメなんですよ。
相談者>:はあぁ...。
糸山先生:それも...、あ、パソコンがないんですね。え〜っと、解説書があるのでそれを読まれた方がいいですね。
相談者>:はい。
糸山先生:で、お兄ちゃんは、くれぐれも最大でも1日1問にしてくださいね。それで、年長からやるにしても年長から小6までピックアップして、全部やることはないんで。
相談者>:あ、そうなんですか。
糸山先生:たとえば20問ずつピックアップしてやるとすると140題なんですよ。そうすると3日に1日やっても1年で終わるんですよ。
相談者>:そうなんですかぁ。
糸山先生:そういう風に作ってるんです。それは、重複している問題も入っているし、似たような問題で数字だけ変えている問題もあるんで、そこは、面倒ですけどもお母さん一回目を通してください。解かなくてもいいんで、これとこれ似ている問題じゃないかとなったらそれは省いてください。
相談者>:はい。
糸山先生:そうすると1年2年でどうにかなるんで。
相談者>:そうですか。
糸山先生:で、下のお子さんにも使えるんで、2冊ずつなんか買う必要はないので、問題をちょっとだけ貼っておいて、お兄ちゃんが使い終わったらまたはがして下のお子さんに使えばいいんで、ただやり方だけ。あの、いっぱいやればいいなんてのは、あり得ないんでね。
相談者>:そうなんですかぁ...。
糸山先生:ゆっくりやらないと、自分で考えるというのをしない子になるんですよ。「急がせる(高速で)」っていうのと「たくさんさせる(大量に)」っていうのと「早くさせる(早期:先取りで)」っていう、この3つは絶対にしちゃいけないんですよ。
相談者>:そうですかぁ...。
糸山先生:そうすると考えない子になるんですよ。
相談者>:えぇ...。
糸山先生:良くてもヒントを待っている状態の子。
相談者>:はい。
糸山先生:あの、要するに、自力では何にも考えられない子になるんで、あの、それを避けなければいけないんで、そこは、ちょっとキチンと覚悟をして親がやらないと。
相談者>:1日1題で。
糸山先生:最高でですよ。だから、3日に1題くらいでも大丈夫なんで、セレクトさえちゃんとすればね。なんで、子どもの体調とか気分によっても、できるときとできないときがあるので。
相談者>:はい。
糸山先生:で、ヒントは絶対ダメですからね。
相談者>:ヒントはダメ。
糸山先生:ヒントは一切ダメですからね。言っていいのは、例えば、「かめさんがあるいています」っていうところで花とか描いてたらダメなので「かめさんはこういうものなんだよ」というところまでです。「ここに線をいれたら分かりやすいよ」というのもダメです。「こういう風な絵を描いたら」っていうのもダメです。「こういう風に並べて描いたら」というのもダメです。とにかくヒントは一切ダメです。それをする(ヒントを少しでも与える)ともう、その手前で止まります。進化はしません。それをするとヒント待ち状態になるんで、そうするとなにをやってもダメです。
相談者>:そしたら、どういう風にして...。
糸山先生:いやいや、させるだけですよ。ちゃんと時間をつくって、2時間なら2時間時間を作ってお茶を用意してお菓子を用意して、のんべんだらり〜んとやる。で、隣で、もしも時間があればお母さんも他の問題をやる。お母さんがちゃんと文字を絵にすることをちゃんとやる。それは、解けても解けなくても。
相談者>:私は、描いていいんですよね。私は、どうやったらいいか...分からないからぁ。
糸山先生:大丈夫ですよ。文字を絵にするだけですから、そんなの誰にだってできますよ。「亀が3匹います」って書いてあったら、亀を3匹かけばいいんです。「亀が並んでいます」って書いてあったら、並んでいる亀を描けばいいんです。
相談者>:あぁ、はい。
糸山先生:でしょ。だから、絶対できるんですよ。
相談者>:(アッハッハ)できますね。
糸山先生:それなのに、答えが見えないと、子どもって「分からない」ってすぐに言うんです。
相談者>:はいはいはい。
糸山先生:だから、それはうそ。
相談者>:えぇ、描いたら分かるんですね。
糸山先生:だから、とにかく絵を描きなさいといわないとダメで、もう小5ですからそこは約束させなくてはダメです。一切ヒントはもらわないで、絵を描いて、絵の中で考える。式は書かなくてもいい。答えはでなくてもいい。とにかく、文字を絵にするところまでが最初。それが第1段階。絵が描けなければあとはないんで、それを半年かけてきちんと描けるようになれば、どうにかなります。
相談者>:そうですねぇ。はい。
糸山先生:ところが、それができなければ永久に進化はないです。
相談者>:そうですねぇ。
残念ながら、今までやってきたことは0だと思ってください。
相談者>:はい。
糸山先生:それで、そういうふうにしていくと、そうですね、まあ、どうにかなるかもしれない。
相談者>:これは6年生までですよね。
糸山先生:そうですね、でも小学校2年生で中2ぐらいでやる連立方程式の考え方が入って来ているんで、中学校で充分使えるものなんで、中学校の半分くらいまではおそらく、時期的にはそれに費やしていいです。で、高校受験そのものの内容とかも入っているんで、ですから丁寧に1コずつ消化していくと。いいですね。
相談者>:それを塾の先生に。
糸山先生:頼めればいいですけど、本来は自宅でした方がいいんですよ。だって、通うのに時間がかかるでしょ。お金もかかるでしょ。だったら、そのお金で、お菓子を買ったりとかしたほうがずっといいですよ。本当はね。僕も教室をやっていますけど、一言も教えないんですよ。
相談者>:そうなんですかぁ。
糸山先生:一言もですよ。パソコンがあれば、今その様子をアップしているんで見れるんですけど、全然教えないんです。
相談者>:それで、みなさん...。
糸山先生:一言も声かけないんです。1時間半、枠があって自由に来て自由に帰るんですけども、速い子は15分で帰る子もいるし、粘る子は1時間半まるまるいる子もいますけども、その間一言も声をかけない。
相談者>:そうですかぁ。
糸山先生:それで、みんなそれぞれ、だんだん成長していくんです。皆そうなんです。皆子どもはそんな力があるんです。それを周りがつぶしているだけなんです。
相談者>:分かりました。やってみます。<書き起こしボランティア、有難うございました。>